●登場人物 1

 

▼鳳凰寺 倉之介 (ほうおうじ くらのすけ) ♂ 20歳

鳳凰寺家の次男。心根の優しい平凡な大学生。

倉之介の誕生と共に母が亡くなり、乳母に厳しく且つ暖かく育てられた。

立花にずばぬけた才能を示すが、跡継ぎである兄のことを気づかい華道から離れた生活をしている。

裏神仙流の存在を知らなかった為、今回の父の申し出に困惑する。

しかし、命の残り少ない父の為に一念発起し、真剣に神仙流の家元になろうと決意する。

 

▼鳳凰寺 慎一 (ほうおうじ しんいち) ♂ 32歳

鳳凰寺家の長男。卑劣で手段を選ばない野心家。

母の死を倉之介の誕生の為と思いこみ、倉之介には憎しみを抱いている。

20歳を迎えた時に、父から裏神仙流について伝授された為、女体の花器について精通しているが、溺れ気味。

立花については、秀才的努力により素晴らしい技術を持つが、感情に乏しく優等生的。

才能豊かな倉之介にコンプレックスを持つ。

義母である佳乃と不義の関係にある。

 

▼鳳凰寺 金之助 (ほうおうじ きんのすけ) ♂ 63歳

神仙流の現在の家元。

物静かで厳格な性格。

慎一、倉之介にとって、良き父であり、師匠でもある。

カリスマ性も高く、偉大な華道家として名実共に知られている。

死の床にあるが、倉之介と慎一の勝負を見届けるまで生き抜くと、強い意志を示す。

 

▼鳳凰寺 克乃 (ほうおうじ かつの) ♀ 36歳

妖艶な魅力を持つ、主人公と慎一の義母。

一見、品の良い熟女だが、ずる賢く、手段を選ばない性格。

亡くなった倉之介の母・沙耶の遠縁にあたり、沙耶に容姿が酷似している。

かたくなに独身を通す金之助に言いより、裏・家元の座を収める。

婚姻後、金之助との性生活に不満を持ち、慎一と不義の関係を結ぶ。

 

 

▼山下 民子 (やました たみこ) ♀ 48歳

代々、鳳凰寺家に仕える女中頭にあたる使用人。

倉之介の乳母。

娘の由比と倉之介とは、いわゆる乳兄妹にあたる。

情に厚く、穏和な性格。

倉之介を実の息子のように愛情を注ぎ、且つ、良家の二男として厳しく育てあげる。

金之助からの信頼も厚く、他の使用人からの人望も厚い。

 


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